世界の動き 2022.1.26 Wednesday

N.Y. Times電子版より

1.ロシアの軍事演習でウクライナの外交交渉はストップ
【記事要旨】
ロシアは火曜日に、太平洋からウクライナまでのロシア全土での軍事演習を発表。その中にはアラビア海での中国との共同演習が含まれている。この動きは米とNATOによるウクライナ問題への介入強化への対抗策とロシアは説明。
The Kremlin spokesman, Dmitri Peskov, said the U.S. and NATO were orchestrating “information hysteria” about Ukraine by reporting “lies” and “fakes.” lies、fakesというどぎつい言葉が使われている。
ロシアはベラルーシとクリミア半島でも軍事演習をしておりウクライナは包囲されている。
米は欧州への天然ガスがロシアから遮断された際の中東、北アフリカ、アジアからの供給を検討。
【感想】
米とNATOがカリカリしているのにウクライナ政府は、危機はそれほどでもないと言っているらしい。独立国としての彼らが一義的には解決すべき問題だから、米とNATOの姿勢は前のめりの印象も受ける。
露からのパイプラインはウクライナ経由がメイン。欧州へはトルコやイラン、エジプトからのラインもあるが、トルコのラインも露からの供給が多い。イランは対米強硬路線で期待できない。
日本でも有事に備え代替エネを中心としたエネルギー自給率の向上に国策として取り組みを加速すべき。
最近TVでロシア軍のボロネジ付近での演習の映像が流されている。ボロネジは第二次世界大戦の独ソ戦での激戦地の一つ。ウクライナではイタリア軍も戦った。名画「ひまわり」はウクライナで戦後生き残ったイタリア人兵士と彼をずっと待っていた妻との哀しいお話しでした。私の名画ベスト3に入ります。

2.EUは域内の旅行規制を緩和
【記事要旨】
EU域内27か国では、「過去9か月内にワクチンを接種している人、コロナに罹患し回復した人」は検査や隔離なしに、2月1日から、自由に旅行できることにする方針。
EUはコロナ後の日常化を推進。一方、ブースター接種は奨励している。
【感想】
合理的な判断だと思いますが、日本ではこうは行かないでしょうな。

3.シリア人とISISとの戦闘継続
【記事要旨)
シリアのハサカ刑務所(3500人のIS戦士を収監)がISの武装勢力に襲われ(20日に襲撃は始まり、世界に報道されたのは昨日)たが、武装勢力は刑務所の3分の1をまだ占拠している。米軍に支援されたクルド人勢力とISとの戦いは継続している。
【感想】
Fighting spreads between Syrian forces and ISIS というのが見出しですが、Syrian forcesというのはシリア政権軍ではなくて、反政府クルド人勢力なんですね。複雑です。
ハサカって写真でみるときれいな街だけど今はどうなっているのだろうか。ダマスカス、ベイルート、バグダッド等々、魅力的な都市が沢山あるのに戦乱で行くことができない。内戦を続けるのは愚の骨頂と思うが、いろいろな人々にいろいろな大義や信仰があり難しいのでしょうね。

(2022.1.26  Wednesday)