世界の動き 2025年7月16日 水曜日

今日の言葉
「日産の追浜工場閉鎖」
 やはり閉鎖だ。2027年末までに希望する従業員は九州の工場へ配置転換可能のようだ。
 1961年に出来たばかり工場を、小学校の時に見学した記憶がある。当時は日本一の自動車工場で、とても自分には手が届かないようなピカピカの新車が次々に生み出される光景に「横須賀にもこんな工場が出来たんだ。凄いな。」と、憧れと誇りを感じたものだった。
 敷地は1.7百万㎡(工場のHPから。数字の桁が違うのではないかと思う)あり、東京・横浜近郊の土地としてはとても貴重だ。手に入りやすい高層住宅の再開発が進む可能性が高いと思う。都心からの車のアクセスも良いので、テーマパーク等のアトラクション施設も可能だろう。
 横須賀のもう一つの誇りと言えば、東京電力の横須賀火力発電所は家から近かった。久里浜海岸に出ると空を圧する100mの煙突が数本立っていた。こちらは1960年に一号機が開業し1970年に8号機が開業した時には世界一の火力発電所だった。老朽化と電力需要の変化で2017年には運転が停止された。その後JERAに運営が移され、現在は2023年から新鋭の2機が稼働している。
 1960年代は本当に「三丁目の夕日」の時代だった。その時代に生まれ、生きて日本を支えた人も企業も老齢化している。消えゆく事業があれば再生する事業もある。事業と人生はどこか似ている。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.トランプ大統領の関税にもかかわらず、中国経済は成長
【記事要旨】
 公式統計によると、トランプ大統領の高関税にもかかわらず、中国経済は今春、着実に成長した。中国の回復力の一因は、工場や高速鉄道などの大規模プロジェクトへの投資、そして世界への継続的な輸出である。また、関税を予想した買い手が今年最初の3ヶ月間に注文を増やしたことも、経済を押し上げた。
 中国が現在の成長ペースを維持すれば、経済は年率約4.1%で成長すると予想され、これは今年最初の3ヶ月間の成長率をわずかに下回る程度となる。
 中国のGDP報告は、米国が最新のインフレ率データを確認する中で発表された。このデータは、トランプ大統領の関税が物価上昇につながり始めていることを示している。家具など、関税の影響を最も受けやすい製品の価格は、6月に大幅に上昇した。
 チップに関する方針転換:NVIDIAの中国向けAIチップ販売を停止してから3か月後、トランプ政権は方針を転換し、中国のハイテク企業によるNVIDIA製チップの購入再開を許可すると発表した。
 EV:中国政府は、電気自動車用バッテリー製造に必要な8つの主要技術の中国国外への移転を禁止すると発表した。これにより、EUが求めている中国の電気自動車メーカーによる海外工場の設立が困難になる可能性がある。
 オーストラリア:中国を訪問したアンソニー・アルバネーゼ首相は、米国からの圧力を受けながらも、両国関係の深化を目指し、習近平国家主席と会談した。
【コメント】
 中国の成長を阻害しようというトランプの政策は実現しそうもない。巨大な中国は世界経済の中にしっかりと組み込まれているからだ。中国への反感もグローバルサウスには殆どない。米国が世界で後退する隙間をしたたかに埋めるのは中国だ。

2.トランプ大統領のウクライナ政策転換は、今のところヨーロッパにとってプラス
【記事要旨】
 トランプ大統領が、ウクライナへの供給を目的として、米国製の最新鋭兵器をヨーロッパに売却することに同意した際、ヨーロッパの指導者たちはこれを重要な転換と捉えた。しかし、トランプ大統領が突如としてプーチン大統領を痛烈に批判しているにもかかわらず、彼らは慎重な姿勢を崩していない。
 EUから米国に輸入される全ての製品に対する関税を30%に引き上げるとのトランプ大統領の脅しに、ヨーロッパの人々は憤慨し、歯を食いしばって笑っている。 ある専門家はトランプ大統領の新たな姿勢について「良いニュースかもしれないが、その良いニュースはいつまで続くのか、そしてどのような条件の下で続くのか」と問いかけ、「大西洋横断関係の問題を解決することには全く役立たない」と付け加えた。
【コメント】
 トランプの動きは本当に理解しがたい。対露強硬姿勢への転換も表面的なものに見える。50日間の猶予も長すぎる。

3.英国、4,500人のアフガニスタン人を秘密裏に再定住
【記事要旨】
 政府は昨日、タリバンがアフガニスタンで政権を奪還する前に英国と協力関係にあった1万8,000人のアフガニスタン人に関する情報を誤って公開し、報復の恐れがあると判断された人々を秘密裏に再定住させていたことを初めて認めた。
 当時の首相リシ・スナック氏は、裁判所の「スーパー・インジャンクション(特別差止命令)」を利用して、2022年の治安情勢の不備を国民から隠蔽することに成功した。これにより、ジャーナリストはこの誤りについて報道することができなくなった。これまでに4,500人のアフガニスタン人が英国に到着しており、さらに600人とその家族が今後到着する予定である。
【コメント】
 本件についてのAIによる詳報だ。
 「政府は、2021年のタリバンによる実権掌握後、アフガニスタン難民を最大2万人受け入れる計画を発表した。このうち、英軍や英政府に協力したアフガニスタン人には永住権と生活支援が提供され、特に成人女性や少女、その他困難な状況にある人々が優先的に支援対象となった。
英国のアフガン人移住に関する主な動きと支援策:
・難民受け入れ計画:
 最大2万人のアフガニスタン難民を数年かけて受け入れる計画で、初年度は5000人が対象となり、成人女性や少女などが優先された。
・英協力者への永住権付与:
 英軍や英政府に協力したアフガニスタン人に対し、永住権と生活支援(就学支援、医療、住宅支援など)を提供する「オペレーション・ウォーム・ウェルカム」が実施された。
・奨学金と英語訓練:
 アフガニスタン人の大学生・大学院生最大300人への奨学金や、成人への無料英語訓練などが提供されました。
情報漏洩問題:
 英国防省が、移住資格のあるアフガニスタン人の個人情報を複数回漏洩させる事案が発生し、謝罪と調査、特別なサポート提供が行われた。
補足情報:
 2021年のタリバンによる実権掌握は、アフガニスタンから多くの人々が国外へ避難する大きな要因となった。
 アフガニスタン難民の受け入れは、英国だけでなく、隣国のパキスタンやイラン、ドイツ、トルコなども行っているが、受け入れ規模や支援内容は各国で異なる。」

その他の記事
中東:イスラエルは、シリアの政府軍とレバノンのヒズボラ民兵を標的とした一連の空爆を実施した。
イスラエル:ネタニヤフ首相率いる政権の将来は、超正統派ユダヤ教政党が与党連合からの離脱を発表したことで不透明になった。
エチオピア:国境なき医師団は、同団体の援助活動員3人の殺害事件について、政府が適切な捜査を怠っていると非難した。

航空:インド、シンガポール、韓国の航空会社は、先月発生したエア・インディアの墜落事故を受け、ボーイング機の燃料制御スイッチの点検を行っていた。

2025年7月16日 水曜日