WSJを真面目に読む May 31, 2012

今日はTRMAのリスクマネジメントセミナーへ。取締役会に属するRisk Management Oversight Comm.についての説明。みずほグループのロンドン証券現地法人での社外役員(リスク管理委員会)の活動を詳細な説明をいただいた。

JP Morganでそのような機能が問題になったばかりなので、興味深く聞いた。 説明を聞いてからも残る本質的な疑問:1.親会社にはこのような取締役会に報告するリスク管理機能がないのに、子会社にだけ置いておいて、どの程度役になりますかね。2.日系金融機関はリスクを取らなすぎることが問題では。

WSJでは今日も、意味のわからない単語はほとんどなし。

【社会】

見出し:

U.K. court backs Assange’s extradition

文章:

Britain’s highest court upheld a request from Sweden to extradite WikiLeaks founder Julian Assange for questioning in a sexual misconduct case,….

単語:

extradition: 身柄引渡、送還

uphold: uphold a decision 判決を支持する

説明:

WikiLeaksの創業者のAssangeさんが婦女暴行の容疑で訴えられている事件がありましたね。随分昔の気がするが、まだ係争中。

 

【政治】【日本】

見出し:

Noda fails to persuade Ozawa to back tax hike

説明:

野田首相が小沢前代表と面談したが消費増税について合意に至らず。

 

【経済】

見出し:

2012: Year of realization for Iskandar Malaysia

説明:

マレーシアのイスカンダル地区の開発についての広告です。

イスカンダル地区はシンガポールの対岸地区。大規模な開発プロジェクトです。

 

【企業】

見出し:

Formula One IPO wagers on a staple

単語:

wager: 賭ける

staple: ホッチキスのこと 

説明:

Formula OneIPOが株と借入とを引き受けでなければならない珍しい形態であるので、くっつけるホッチキスと掛けている。

 

【経済】

見出し:

Emerging-market fall skips Brazil debt

文章:

Investors are sticking with Brazilian bonds, even as they spurn other emerging-market assets.

単語:

Spurn: 拒絶する、はねのける

説明:

日本で大人気だったブラジルの社債はまだ人気があるらしい、

 

【経済】

見出し:

Europe’s crisis isn’t Achilles’ heel for China

単語:

Achilles’s heel: アキレスのかかと 弁慶の泣き所

説明:

欧州危機も中国への影響はそれほど大きくない。

 

【経済】

見出し:

Could Indians save India – at a price?

単語:

NRIs: Nonresident Indians 非居住インド人

説明:

インドの経済危機を非居住のインド人が海外から国内への送金で助けているというお話し。

 

以上

WSJを真面目に読む May 30, 2012

今日は、知らない単語がほとんどなかった。こういう日もありますね。

oxymoranは懐かしい言葉。ニューヨークで不動産会社で働いている時、ユダヤ人のパートナーから教えてもらった二つの言葉のうちのひとつ。ひとつがoxymoran。もうひとつがshmak (スペルが正しいかどうか不明。ユダヤ語で「バカたれ」の意味)。彼も今は亡き人。

 

【経済】【中国】

見出し:

China speeds investment approvals

説明:

Speedsaccelerateのこと。スピードアップする。経済刺激策の一環。

 

【企業】【日本】

見出し:

Japanese firms go on global hunt

説明:

余剰手持ち資金と円高を背景に日本企業が海外企業を買いあさっているという記事。例に挙がっているのは、丸紅のGavilon Group 日本たばこのGryson 武田薬品のブラジル製薬会社、の買収。

 

【社会】

見出し:

Suu Kyi begins first foreign trip in 24 years

説明:

アウン・サン・スー・チーさんは英語ではAung San Suu Kyi です。

 

【社会】

見出し:

Jakarta warns of Euro model

説明:

昨日も同内容の記事あった。西欧型モデルを安易に受け入れるのはよろしくないというインドネシアのYudhoyono大統領のコメント。

 

【経済】

見出し:

Taiwan finance head quits in tax spat

文章:

Taiwan’s finance minister, Christina Liu, said she would resign over a tax spat with the ruling Kuomintang.

単語:

spat: ささいな喧嘩

説明:

我が国や他の先進国では当たりまえのキャピタルゲイン税を台湾で導入するいざこざをめぐり、当初の富裕層への課税の狙いが骨抜きになることに抗議して財務部長のChristina Liuさんが辞任するという記事。骨のある女性ですね。

 

【経済】

見出し:

Afghan dam saga reflects U.S. travails

単語:

saga: 長編(英雄)物語

travail: 骨折り、辛苦

説明:

アフガニスタンで60年以上も完工に時間がかかっているダムの話。

 

【政治】

見出し:

Tokyo drift

文章:

Is Japanese political leadership an oxymoron?

単語:

oxymoron: 矛盾語法、矛盾表現 ギリシャ語が語源:oxy:「鋭い」moron:「鈍い」

icy fire「氷の炎」とかsound of silence「沈黙の音」とか 

「日本の政治家のリーダシップ」はあり得ない組み合わせか?というGerald Curtis教授のOpinion

It may take a crisis to end Japan’s leadership paralysis. と結んでいる。

 

【科学】

見出し:

Mind-controlled videogames become reality with headsets

説明:

これはちょっと危険と思わせる、先進TVゲームのお話し。アプターの世界はすぐそこに来ている。

 

以上

 

WSJを真面目に読む May 29, 2012

29日夜はBritish Telecomの会長来日レセプションで英国大使館へ。伝統を感じさせる美しく優雅な建物。英国大使が日本語が堪能なのに驚く。英国の基幹ビジネスを国を挙げてサポートしようとする姿勢には、大いに感動。

【経済】【日本】

見出し:

A new era for bankruptcy in Japan

文章:

That difference could prove a tipping point for changing attitudes toward bankruptcy, which long has been stigmatized here as a last resort for troubled companies.

単語:   

tipping point: 大きな転換点

stigmatize: 汚名をきせられる

説明:

足利銀行とJALの倒産・再生を例に取り上げ、日本での倒産に対する姿勢が随分変化してきた、という記事。

 

【政治】

見出し:

Two Tibetans self-immolate as incidents spread to Lhasa

単語:

self-immolate: 投身自殺

説明:

中国の圧制へのチベット住民の抗議。中国は外人が扇動していると批判。

 

【社会】

見出し:

Egypt faces polarizing election run-off

文章:

A prominent Islamist will face off against one of the leaders of Egypt’s ousted regime in a presidential run-off race on June 16 and 17, officials said Monday, setting up a divisive clash of political titans over a backdrop of voter discontent.

単語:

polarize:  二分する。二極化する

run-off: runoff 決選投票

face off: 対決する

backdrop: 背景、状況  

説明:

エジプトの決選投票の背景。世論を二分する行方は?易しい単語でも意味が良く取れないものが多い。

 

【経済】

見出し:

Asia catches a China chill

文章:

It used to be said that America sneezes, the world catches a cold. The same is now true of China’s economic relationship with its Asian neighbors.

説明:

「アメリカがくしゃみをすると世界が風邪をひく」は今は昔。

 

【経済】

見出し:

Stock market loses face

説明:

lose face(メンツを失う)FacebookIPOを掛けた上手な表現。

 

【経済】

見出し:

China’s BYD faces setback after fatal vehicle fire

文章:

BYD Co., the Chinese auto maker backed by Warren Buffet , faces a setback in its electric-car business, after one of its e6 vehicles caught fire in a collision on Sunday that killed three people in the southern Chinese city of Shenzhen.

単語:

setback: 挫折、後退

説明:

電気自動車の電池は衝突時に破断すると爆発の恐れがある、と言うのは昔から言われていた。既に発売された車が引火し死者が出たと言うのは初のケースではないかと思われる。

 

見出し:

Fight brews over imported workers

説明:

好況と不況が共存するオーストラリアの記事。熟練労働者を海外から調達する動きに反対の考えが熟成されてきているという記事。

以上

WSJを真面目に読む May 28, 2012

WSJを読んでいていいなーと思うのは、日本の新聞にない、記事の広がりと深さである。

広がりの例:シリアの内戦の惨状、ミャンマーで副首相が行方不明 (いずれも日本のメディアではほとんど取り上げられていない)

深さの例:JP Morganでのリスク管理、FacebookのIPOをめぐるその後の動き、欧州危機への対策 (日本のメディアでは当事者の内部の動きをとらえる記事は少ない)

今日は日本の記事が多くあった。1.原発が詳細な調査を受ける 2.ルネサスの人員削減 3.米国からのシェールガス輸入 4.住友化学がサウジで生産拡大 5.トヨタが途上国向け新モデルで販売増強 5.日本国債好きな日本の生保

 それでは今日のWSJから。

【政治】

見出し:

Syria attack is a new blow to peace plan

文章:

A gruesome Syrian government artillery attack that killed at least 90 people sparked fighting across the country…

単語:   

gruesome: 陰惨な 身の毛がよだつ

artillery: 砲撃の lとrが同じ言葉の中にある発音しにくい単語です

説明:

こんな記事は日本の新聞には全く出ていない。

 

【政治】

見出し:

Egypt’s top two candidates vie for elusive swing voters

単語:

vie for: ~を奪い合う vie for a seat

elusive: 見つけにくい、とらまえ難い

説明:

エジプトのムバラク政権崩壊後の初の大統領選挙で、上位二人が決選投票に向かう記事。

 

【金融】

見出し:

J.P. Morgan is expected to overhaul risk panel

文章:

What the Risk-Policy Committee does

“Provides oversight of the CEO’s and senior management’s responsibilities to assess and manage the Firm’s credit risk, market risk, interest rate risk, investment risk, liquidity risk, and reputational risk, and is also responsible for review of the Firm’s fiduciary and asset management activities.”

説明:

私の商売柄、知らない単語は無い。面白いのはそのメンバー

James Crown, chairman, president, Henry Crown & Co. (投資会社)

David Cote, chief executive, Honeywell international Inc. (航空、宇宙、防衛関連大手)

Ellen Futter, president, American Museum of Natural History (自然史博物館)

どの一人も金融(特に高度な)のプロとは言えそうもない。

WSJの記事によれば、Crown30万ドル、CoteFutter24.5万ドルの報酬をJP Morganから得ているそうである。社外役員としてはすごい高給と言えよう。

 

【経済】【金融】

見出し:

Spain bails out its third-largest bank

文章:

Move to pump $24bn into Bankia is latest step in government’s bid to ease concerns about financial sector.

単語:

bail out:  緊急支援、救済

説明:

債務の返済に関して、よくつかわれる単語をまとめると

reschedule: 返済の繰り延べ

repudiate: 支払拒否

 

【金融】

見出し:

Star banker is on the spot. Morgan Stanley’s Michael Grimes draws some flak over Facebook’s IPO flop

文章:

FB’s botched IPO left Morgan Stanley investment banker Michael Grimes in an unusual spot: on the defensive.

単語:

flak: 激しい批判、罵り

flop: 大失敗、「大コケ」が近い

botch: へま、しくじり botch a grounder ゴロをエラーする

説明:

FacebookIPO騒動の続編。

うまくいかなかったIPOの責任のなすりあいについての記事。

 

以上

WSJを真面目に読む May25-27, 2012

WSJの週末号は、金曜から日曜を含むMay25-27, 2012号になる。旅行やファッションを詳しく報道するWeekend Journalというおまけも付く。今年の秋の流行は、This Fall, Just One Colorということで、薄い単一色でのコーディネートになるそうだ。

【金融】【中国】

見出し:

Fresh demands put on China IPO

文章:

One of the world’s biggest initial public offering of the year, from one of China’s biggest financial firms, is becoming a challenge for Western banks already grappling with a listing drought in the territory.

単語:   

fresh demand:  新しい要求, freshには時に、rude and impolite というニュアンスを含むこともあります

grapple: 取り組むとかひっかかるとか、ニュアンスが難しい言葉

説明:

見出しだけだとよく意味がわからないのでつられて本文を読む記事。PICCという中国の保険会社のIPOでの確定的な引き受け(売残りを許さない)要求に西欧の投資銀行が頭を悩ませているという記事。

 

【経済】【日本】

見出し:

The Power List

説明:

WSJに記載された頻度で日本の財界人の重要さを示す表 第一位 Carlos Ghosn 第二位Akio Toyoda 第三位 Kazuo Hirai 第四位 Kazuo Inamori 第五位 Masayoshi Son

 

【社会】

見出し:

Shunned in Singapore

文章:

A few weeks ago in Singapore, a Chinese Ferrari driver crashed into a taxi, killing himself, the taxi driver and a passenger.

単語:

shun: to avoid someone or something

説明:

シンガポールへの金持ちの移民が、住民の気持ちを逆なでしているという記事。同じ中国系でも反感が湧くのだなという印象。事故で亡くなったタクシーの乗客は日本人観光客だと言うことが記事を読んでわかった。こんな報道は日本で全くなかったと思う。

 

【経済】

見出し:

Funds brace for Greek fallout

文章:

The world’s biggest bond mutual funds are working to protest their portfolios from a possible exit of Greece from the euro zone.

単語:

brace: 身構える、準備する braceは困難な状況への対応で、WSJでは頻出する言葉。

fallout: bad effect or result of something 「脱落」の方がぴったりくる

説明:

ギリシャ国債を投資対象にしている投資ファンドは対応に大童。

 

【政治】【社会】

見出し:

Rommny has tough task wooing Latinos

文章:

President Barrack Obama maintains a large lead among Hispanic voters in the presidential race.

単語:

woo: 求める、求愛する

説明:

急増するヒスパニック系住民の得票は軽視できない。ヒスパニック系は伝統的に民主党支持。世論調査による支持率は、オバマ61% ロムニー27%

 

【経済】特に難しい単語はないのですが、時流が分かる見出しなので。

見出し:

Red flag over Facebook

説明:

大手投資家には業績見通しの悪化を事前通知、小口投資家は無視。

 

見出し:

Formula One’s IPO is bundled with a lone

説明:

シンガポールでIPOを計画中のFormula Oneの案件は株式と融資がパッケージに形になるという記事。節税目的。

以上